伝統産業ガイドブック 2023年3月発行
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関 約20種類の和菓子を製造、販売しています。売り上げの半分を占める主力商品が『シベリア』という、2枚のカステラに羊羹を挟んだ和菓子です。このシベリアを、黒餡、柚餡、紫芋餡など常時4パターン、季節を考慮しながら年間10パターン提供しています。カステラ、羊羹ともに、シベリア専用のものにしなければならないので、製造、販売している和菓子屋さんは、意外に少ないのだそうです。対面販売で、お客さんの声をじかに聞きながら、日々おいしい和菓子づくりに励んでいます。菓 東北本線最古の駅の一つである浦和駅と中山道の間という立地条件により、大正元年7月に創業。 2代目が旧浦和の野田の鷺山に舞う白鷺の優美な姿に感動し、いつまでも自然な姿が続きますようにと願い作り上げた「白鷺宝」は浦和銘菓として定着し、親しまれています。職人の手で丹念に作られた和菓子ひとつひとつは、心和む優しい味わいと、色鮮やかな美しさで溢れています。所岩槻区西町1-3-20<マップD130> ☎048-756-0412営10:00〜19:00/月曜定休時 明治38年創業。和菓子の老舗です。岩槻城主が鋳造した鐘を型どった最中「時乃鐘」は登録商標済み。発売以来100年近くになる銘菓です。 ほかにも“人形のまち岩槻”の代表的なお土産として人気の「ひなの月」や、季節に合わせた和菓子など種類も豊富。春先は、桜餅・草餅、夏場は涼やかな水ようかんなどが、店内を彩ります。伝統ある最中は、現在4代目へと引き継がれ、心を込めて1つ1つ丁寧に作られています。所桜区町谷1-20-17<マップA329> ☎048-711-4010営9:00〜18:00/月曜定休田 江戸時代後期の嘉永年間、岩槻の市宿通り(現在の旧16号)では、毎月一と六の日に市が立ち賑わっていました。菓子屋として創業した田中屋は、この市の日に、店の前に縁台を出して、草団子や醤油団子、汁粉などを商って評判となり、大名がお忍びで買いに来た事もあったそうです。現在は最中、団子、葛菓子の手作り和菓子を中心に人気を集めています。蔵造りの店舗は、嘉永年間に建てられたもので、往時の風格が感じられます。風 大正6年、川越新道(現在の大宮銀座通り)は川越、岩槻、菖蒲などへの最も主要な幹線道路で、馬車の停車場だった大宮駅付近は大いに賑わっていました。その一角で創業した和菓子屋・福呂屋の「宮の餅」はかなりの人気だったようです。当時販売されていたお菓子は、甘藷芋、だんごなど。現在は、甘さをおさえた自家製あんがたっぷりの「盆栽最中」や、桜の花びらを模った「花さくら」など、贈答用からお茶席の和菓子まで幅広く揃っています。所大宮区大門町2-94<マップD234> ☎048-641-1295営10:00〜17:30/火曜定休所浦和区高砂1-12-1コルソ内<マップD333> ☎048-822-4166営10:00〜20:00/コルソ休館時定休所在地所営業時間工房や作業場の見学ができます。営● 地域の特性と深い関連のある事業所○21※マップ番号は、巻末p25・p26を ご覧下さい。かしょうはなみたなかやほんてんときわだんごほんぽ所岩槻区本町2-2-43<マップD131> ☎048-756-0045営9:00〜18:00/日・月曜定休(年末、お彼岸、お盆は営業)●和菓子㈱浦和花見●和菓子田中屋本店●和菓子㈱ときわせきねせいかときのかねもなかふうどかぼう ふくろや所岩槻区本町3-16-10<マップD132> ☎048-756-0250営9:00〜18:30/水曜定休要予約に限り、工房や作業場の見学ができます。お土産品・商品の購入ができます。●和菓子関根製菓●和菓子㈲時乃鐘田中屋●和菓子福呂屋匠花見中屋本店きわだんご本舗と 明治8年、浦和宿の街道筋に創業。初代・柿沼直次郎は、常盤町の大火で被災者に団子を提供し名をあげます。「ときわだんご」は、当時の埼玉師範や旧制浦和高校の生徒たちにとって、学校から許された唯一の憩いの場であり、「浦和小町」とも称された看板娘の満舞(二代目)に会えるとして大変な賑わいでした。現在も良質の米粉のみを使い、当時と変わらぬ製法で作られる無添加の団子は、その優しい味わいを今なお伝える逸品です。根製菓乃鐘最中土菓房福呂屋

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