伝統産業ガイドブック 2023年3月発行
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岡 大正11年創業以来、造花製作一筋に営業を続け、現在三代目。注文を受けてから製造に入る、受注生産が基本です。節句人形造花(桜橘・紅白梅・菖蒲)を中心に、人形手持花・脇飾や小鉢盆栽・和の花の壁飾りなど季節の飾りも製作しています。絹白生地と和紙の裏打ち・断裁・染色・筋付けなど、素材の加工から始め、多くの作業工程を経て作り上げられます。日本人形関連造花、製造として国内でも希少な存在です。所大宮区北袋町2-391-4<マップB222> ☎048-642-0515https://www.umino-kanzashi.com所緑区太田窪3-2-8<マップB321> ☎048-882-8294営8:30〜16:30/土・日曜定休http://www7a.biglobe.ne.jp/~okahan/広 希少な国産つげを使った江戸東櫛。江戸時代後期から続く広島つげ櫛店は、1945年の東京大空襲をきっかけに旧大宮市へ、その後、令和に入り中央区鈴谷へ移転しました。そのつげ櫛は、使っているうちに飴色に代わり味が出て、親子三代で使い続けられるほど長持ちします。全国から購入希望者が絶えず、外国人観光客や、嫁ぐ娘のため、妻や恋人に贈るために買い求める男性も。7代目・広島政夫が使う人の幸せを願い、手仕事で作り続けています。川 金・銀・銅を、打ち出し、彫金などで加工して、アクセサリー、花器、飾額などを製作しています。昭和20年代に創業、現在は川村秀之と秀秋の兄弟で、その技術を受け継いでいます。請負仕事から脱却しようと、天然石と銀製品を組み合わせたオリジナルブランドショップ「ドラゴン&ストーンズ」を開設。ブレスレットやペンダントのインターネット直販を始めました。個人のお客さんからの彫刻アクセサリーのオーダーメイドにも、積極的に取り組んでいます。新 日本古来砂鉄から作られる玉鉄を使い鍜造、焼入れ、成形し、「折れず」「曲がらず」「切れる」の3つの要素を兼ね備えたものが刀剣です。武器として生まれた刀剣ですが、現在は鉄が作り出す美しい工芸品として今日に至ります。江戸末期に鍛冶屋を創業し、太平の世とともに日常生活に必要な道具の製作を続ける一方で、長年培って来た技術を生かし、昭和62年より刀剣技術を修業、作刀を行なっています。所桜区西堀6-19-29<マップA326> ☎048-862-5329営9:00〜19:00http://tammylaworker.com所岩槻区本町3-17-22<マップD125>☎048-756-0365桂 七宝焼は、金、銀、銅、プラチナの素地に、ガラスを含んだ特殊な釉薬で盛り、炉で焼くことを繰り返します。ブローチ、指輪といった小さいものから、茶器などの立体的なもの、額のような大きなものまで様々。昭和41年から七宝焼教室を主宰し50年以上になるという、かすや桂子。艶やかで凹凸があり、経年変化が少なく、何よりイメージを形にできるのが魅力といいます。作品は七宝焼(エマイユ)の街で知られるフランス・リムーザン地方の中心都市リモージュのアドリアン・デュブーシェ国立博物館に展示されています。15おかはんひろしまつげぐしてんあらいにほんとうたんれんじょうかつらしっぽうけんきゅうじょ所中央区鈴谷5-10-9<マップA323> ☎048-711-8007所南区沼影1-6-27<マップA327> ☎048-705-0254営9:30〜16:00 https://katuracloisonne.amebaownd.com●雛人形用造花㈲岡半●江戸東櫛広島つげ櫛店●日本刀●七宝桂七宝研究所ごせきはりこ やまざきらくざんかわむらちょうこくにのみやからーしっぽう所桜区大久保領家382<マップA224> ☎048-858-6770所南区白幡3-10-19<マップA328> ☎048-861-6337営9:00〜17:00/水・土・日・祝日定休江戸つまみ簪 宇 江戸時代末期、京都の康照卿と仰せられた御方が薬玉を作られ、これを時の後桃園天皇へ献上に及んだという記録があります。そして嘉永5(1852)年、近世商売尽歌合に花かんざしが流行したと書かれています。明治生まれの師匠、広田吉之助氏の遺志を引き継ぎ昭和40年代に創業以来、伝統的技法に独自の技法を組み入れ現代にマッチした髪飾りを作り続けて精進しています。現在、東京都伝統工芸士を目指していますが全国で伝統的技法後継者は10名程と言われています。五関張り子 山 明治時代初期、初代・蓮見萬次郎が張り子作りを開始。五関張り子はダルマ・人形・面があり、人形は首を縦に振るのが特徴です。水を吸わせた張り子紙を木型に張り合わせ、天日干し後に型を抜きます。張り子人形は、これらを張り合わせて細かいパーツを取り付け、膠と胡粉を混ぜたものを塗り込み、顔料で色付けします。蓮見家で親子4代に渡り受け継がれ、現在は、4代目蓮見豊七より技術を引き継いだ山崎楽山が5代目として伝統の技を守っています。うみの●つまみ簪(かんざし)㈲宇美濃●五関張り子五関張り子 山崎楽山●彫金㈲川村彫刻●七宝㈱二宮カラー七宝新井日本刀鍛錬場半島つげ櫛店井日本刀鍛錬場七宝研究所村彫刻宮カラー七宝二 七宝とは、金・銀のほかにラピスラズリや水晶など「7つの宝」のこと。その名は仏教に由来し、釉薬として高温で焼成する七宝焼は、日本を代表する伝統工芸のひとつです。独特な色合いと上品な光沢が特徴の七宝焼は、食器や花器、アクセサリーとしても人気です。二宮カラー七宝は40年以上、その釉薬・絵具を製造。オリンピックのメダルやワールドカップのタイピンなども手掛けました。市内で体験講習を開くほか、浦和観光案内所では、銘皿などが販売されています。美濃崎楽山

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