伝統産業ガイドブック 2022年3月発行
17/28

田 1713年頃に「だる吉」という人形師によりはじめられた越谷だるま。子どもたちの魔除け、家内安全の祈願をするものとして、江戸庶民の人気を集めました。木型に古紙を貼付け、何度も胡粉や色を重ねたあと、豪快な髭や美しい模様を描いていきます。現在は機械の導入により木型への貼付け作業は減少しましたが、整形等の細部に渡る作業については大正15年の創業当時と変わらず、現在も手作業で行なわれています。岩 先代が老舗だるま店の元で修行し、昭和53年独立。二代目長男哲雄が継承し、次世代へと受け継がれています。だるまは元々「家内安全」「商売繁盛」などの縁起物として、神棚に鎮座していたもので、ひげや顔の回りの文様などは、おめでたい鶴や亀・稲穂を表現しており、ベテランの職人たちが、一筆一筆描きあげ、大切に仕上げているとのこと。近年では、伝統的工芸品のだるまの製法をいかした、オリジナル商品も製作しています。所岩槻区大字末田2004<マップC230>☎048-798-0329鵞 明治35年、日暮里にて創業、昭和5年に浦和へ移転。書道用具全般を扱っていますが、その中心は100年以上の歴史を持ち、全て職人の手作りによる筆になります。大量の原毛の中から最適な材料を選び抜き、職人による何工程もの丹念な手しごとによって穂先を作り上げ、1本の筆を作り上げます。その作業には繊細な心づかいが必要とされます。オーダーメイドの筆も作っており、著名な書家からの注文も多くあります。所岩槻区大字末田2258<マップC229>☎048-798-0945正 江戸時代中期から後期にかけて、江戸和竿は美術工芸として大成しました。竹に本漆を塗り重ねて作る継ぎ竿で、竹の切り出しから塗師(ぬし)仕事まで全工程を竿師が自ら担います。その技術と工芸美は脈々と師弟師伝され、独立する竿師それぞれが、個々の特徴のある和竿を生み出してきました。 正勇作は昭和22年に「東正」に入門、一番弟子として師事し、昭和35年「正勇作」の竿銘で独立。真鮒・小鮒・タナゴ等の川竿や、カワハギ・真鯛・ハゼ・キスなどの海竿全般にわたる和竿を制作しています。※マップ番号は、巻末p25・p26を ご覧下さい。いわつきせいけいまさゆうさく所南区大字大谷口2569-2<マップB331>☎048-873-3324●だるま㈲岩槻整型●和竿たぐちだるまてんがもうどう所浦和区高砂2-12-20-3(マガザン浦和2階)<マップD332> ☎048-822-1105 営10:00〜18:00/不定休要予約に限り、工房や作業場の見学ができます。お土産品・商品の購入ができます。●だるま田口物産㈱●筆㈱鵞毛堂16正勇作 釣竿工房所在地所営業時間工房や作業場の見学ができます。営伝統的な工芸技術を継承する事業所槻整型勇作口だるま店毛堂

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る