伝統産業ガイドブック 2022年3月発行
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九 江戸時代、実家である岐阜県高山に、文人画家の池大雅が泊まりに来ていたことから、彼の別号である九霞をとり、園の名にされました。剪定バサミや又枝切り、ピンセットなど世界初の盆栽道具類の開発に関わったことでも知られています。生き物である植物を、ありのままの姿で自然に育つよう針金などは使わず、木元来の個性が生かされています。サボテンや多肉植物、野菜などを良い鉢に植えて観賞することも提案しています。所北区盆栽町131<マップD21> ☎048-663-0423http://www.iris.dti.ne.jp/~kyukaen/index.html清 江戸・嘉永年間に現在の台東区根岸で創業。修練された技術による盆栽は、松竹梅から雑木、花物・草物まで、日本・江戸の『粋』を創出しています。盆栽の普及活動の一環として地元小学生に教室を開くほか、一般向け盆栽教室は盆栽町本校のほか、大宮そごう、東京・表参道、池袋、日本橋、神奈川・横浜で開講。通信講座も含め約2000人以上の生徒が清香園で盆栽を楽しんでいます。草花や木々を寄せ植えにする彩花(さいか)盆栽は、女性にも人気。五代目・山田香織さんのアイデアは、今日も続々と創出されています。松 園の名は、夫人の故郷が北海道で雪の多いことから名を付けられました。園主は、地元大宮の農家生まれ。緑の大切さ、そして盆栽の魅力に引かれ盆栽をやることにより気力がわいてくると昭和50年代の初頭から始められました。平成9年に陶芸会館を造り、日本文化である陶芸と盆栽を融合させた教室を開校。近隣はもとより、わざわざ遠方から受講しに訪れる生徒も多いというほど高名。陶芸は毎年1度、国立美術館で展示会を開催しています。芙 様々な種類の雑木盆栽が所狭しと並びます。寄せ植えが得意で、冬は葉を落とすので枝を柔らかく作る工夫がされ、大切に育てられています。一般社団法人日本盆栽協会の理事長を務めたこともある園主。日本全国を毎日のように飛び回る多忙な業務をこなす傍ら、自然が好きで親しみを求めて野山へ向かうこともしばしばといいます。ジンが渦を巻いた、真柏としては世界一という「昇天の龍」も所有されています。藤 自ら育てることで愛着がわき、それにより精神的な安らぎを得られることこそ、盆栽の醍醐味です。かつてはとても高価で、一部の富豪の趣味などとして扱われてきた盆栽。女性や若年層にも、もっと気軽に盆栽の魅力を知ってもらおうと、昭和44年に盆栽教室をスタート。「夏は朝早く起きて水をやります。盆栽がまっていますよ」と、生徒への言葉一つひとつに、盆栽を愛する気持ちが込められています。所北区盆栽町96<マップD25> ☎048-666-2400所北区盆栽町247<マップD24> ☎048-663-3899蔓 5代にわたる盆栽の老舗。「表情のある」小品・中品盆栽から、千年をゆうに超える樹齢を重ねた古木、日本を代表する名品盆栽の数々、水石、盆器、卓、諸道具まで圧倒的な品揃え。現代数寄屋のギャラリーとしての機能も併せ持った展示空間では、美術盆栽、水石等を設え(しつらえ)て展示。日常の培養管理と設え〈室礼〉に基づいて飾る鑑賞の両面から盆栽を楽しむスタイルを提案しています。09しょうせつえんとうじゅえんまんせいえん所北区東大成町2-640<マップA12> ☎048-664-5332※土・日曜開校の盆栽教室随時入会受付中所北区盆栽町285<マップD26>☎048-871-9255●大宮の盆栽松雪園●大宮の盆栽㈲藤樹園●大宮の盆栽㈲蔓青園きゅうかえんせいこうえんふようえん所北区盆栽町268<マップD23> ☎0120-464-870営9:00〜17:00/木曜定休http://www.seikouen.cc/ ※解説付きの園内の見学は10名以上●大宮の盆栽九霞園●大宮の盆栽㈲清香園●大宮の盆栽㈲芙蓉園大宮の盆栽盆栽は、時間・空間と山水の景を表現し、自然にある姿以上の美しさを求めていく、日本の伝統的な芸術です。そこには、四季の移り変わりに対する豊かな感性と、生命に対する心の優しさや美的感覚が凝縮されています。長い歴史を育んできた盆栽は、海外でも高い評価を受け、現在は日本の文化として、BONSAIという国際語に定着しました。大宮の盆栽村は海外からも多くの愛好家が訪れています。また、盆栽文化の拠点施設として「大宮盆栽美術館」があります。自然美の凝縮~盆栽~雪園樹園青園霞園香園蓉園大宮の盆栽

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